全ての弦を張った通常の状態ではほんの少しの順ぞり、又は真っ直ぐがベストと言われています。それをチェックするには1フレットにカボをつけ14フレットを押さえて7フレットを軽く叩いて下さい。接触していれば音はしませんので、明らかに逆ぞりです。フレットと弦の間隔が0.2mm位ですとチッツ、チッツと音がしますので、これくらいが最適だと思います。カッツ、カッツという音ですと順ぞりで0.3mm以上間隔があると思います。
擦り合わせををする場合は、先ず弦を外して、ネックのアングルをチェックして、順ぞり、逆ぞりのない真っ直ぐな状態にします。トラスロッドを回して調整します。
そして作業の準備です。何事も備えあれば憂いなしと申しますから、指板に傷が付かないように上と横にマスキングテープを貼ります。トップやホールもボール紙などでガードしておきます。
指板と同程度のアールの付いたサイディング・ブロックに両面テープでサンドペーパーを貼り、指板を均等に削ります。事前にフレットにマジックを塗っておくと削り残しや削りの程度が分かりやすいです。
サイディング・ブロックはアールのない平坦な物でも出来ますが、指板のアールに合わせたアールがついていると、簡単に削れます。
ただし、指板のアールは1フレットから23フレットまで均一ではないのでサイディング・ブロックはR400とR600位があれば便利です。
サンドペーパーは120~150番の粗い目で数回擦り、次第に目の細かい600から800番を使って均等に削れたら、後は、1000番や研磨剤を使うと綺麗になります。
くれぐれも削りすぎには注意しましょう。
次は、平らになったフレットの上部を丸く削ります。これは、フレット・クラウン・ファイルという専用のヤスリです。7~8回こすれば丸くなります。
さて、ここで1フレットから23フレットまで均等に削れたかチェックします。物差しなどをフレットにあてると分かりやすいと思います。ややもすると、ローフレットやハイフレットが削れていない場合が多いので要注意です。あくまでも、全フレットを均等に削ることがポイントです。
さて、後は仕上げです。
私は3Mのマイクロファインという研磨剤のついたスポンジで綺麗に磨きます。細かいスチールのタワシでもいいと思います。
さらに、微細コンパウンドで磨けば完璧です。
総仕上げはマスキングテープなどを外して、指板をレモンオイルで磨いて完成です。
バズりも消え、音も澄んだ綺麗な音に生まれ変わります。